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熊本地震遭遇記 4月16日2016/04/16

 1時25分、またいきなりだ。ガンときて、ガタガタ、ガシャン、震度7(M町では6弱)震源は北北東に約5キロ、どのくらい続いたか。それからどうしたのかほとんど覚えていない。跳ね起きて母の無事を確認して、水の音がするので台所に行くと上から落ちたものが跳ね上がったらしく水栓が全開になっていたのを止めたのだけ覚えている。水栓レバーが下向きで止水という仕様になったのは地震対策のためだがこういうこともあるのだと妙に印象に残った。メモには停電とある。1時45分また揺れ、6弱。

 ご近所ももう避難するとのこと、ブレーカーを落としてまとめておいたものを持って母と車で近くの公民館へ。公民館といっても集会所のような感じであけ放たれて電気はついているが室内ではなく、みんな広げられたブルーシートの上で家から持ち出した布団などにくるまっているか、近くの空き地の車の中にいる。トイレは使えるようだが床は水浸しでバケツにためた水を使っているようだ。町会長さんに一応名前を告げ母の無事を伝えるが、名簿など作っている様子もない。消防団もいるがどういう動きをしているのかも全く分からない。私自身はここでは全くのよそ者なのだ。

 外は結構寒い。母を一人にしておくわけにもいかないので車に戻ってシートを倒して毛布をかぶる。カーナビのワンセグテレビを点けてみるがもう見る気力がない。母がトイレに行くと車を出ていくが公民館とは逆の方向に歩いて行くようなので、「えっ」と思って車から出たが公民館から少し離れているので明かりも届かず、真っ暗で姿が見えない。暗がりからやっと戻ってきた母に聞くと公民館は大変なようだから近くの草むらで用を足してきたという。心配させるなよ!

 まだ時々揺れる。3時3分阿蘇5強、3時55分阿蘇6強。それでも朝は間違いなくやってくる。車のシートの上で目をつぶっていただけのような気がする。母と車を出て今度は公民館のトイレに行くと、母の顔見知りやお世話になっている民生委員も居てしばらく立ち話。無事がわかると意外といつもの世話ばなしのようなことを話している。女性の強さなのか、この非日常の事態に実感がついてこないのか。

 母に様子を見てくると言って徒歩で家に向かう。途中アパートのプロパンガスボンベが転倒防止チェーンが外れて倒れ、ホース一本でぶら下がっているので起こして元栓を止めておく。住民の姿は見えない。道が舗装の継ぎ目でずれている。家に近づくと瓦がずれているのが見えた。裏に回るとやはりプロパンガスボンベはホース一本でぶら下がっている。こちらは瓦がかなり落ちている。家の中も前回の比ではない。今回ばかりは簡単には片付きそうもない。



 7時過ぎアルファ米の炊き込みご飯の炊き出し、列に並ぶと足りそうもないというのでだんだん減らされて、二人ですと言ってもお茶椀半分くらいしかもらえなかった。


 8時、母と車で家に戻る。あとで画像を見るとその前の揺れではびくともしなかった重い大きなサイドボードが私の寝ていた布団の上にかかっている。寝るときサイドボードが倒れることは考えてよけたつもりだったがどう見ても単純に倒れた距離を超えて動いているのだ。この写真を撮った時は何も意識していない。人にこんな状態だったと見せたときに初めてじっくりと見て布団が下敷きになっていると気がついたのだ。意識して窓側に身を寄せて寝ていたのか、深く眠ってもし逆に寝返りを打っていたら、これを悪運が強いというのか。とにもかくにも母と共に無事に生きているのだ。母の布団の脇にも部屋の隅のタンスの上にあったレターケースが転がっている。仏壇はまた飛んだ。揺れの方向は明らかに前と違うように見える。冷蔵庫の中身も飛び出していた。


 ちょっとこの状況でここにとどまるのは母の負担も大きい。幸い福岡まで行けば義姉がいる。一度避難して体も休めて仕切直そう。町会長さんに声をかけて10時頃出発。高速は植木インターまで行けば乗れるらしい。途中がどうなっているかわからないがナビがあるから何とかなるだろう。ちなみに公民館から600mほどの九州自動車道にかかる跨道橋は崩落している。

 東バイパスに至る道の途中でも何棟か全壊している。古い大きなつくりの家が多い。信号は動いているが道はところどころ段差ができ特に橋の継ぎ目がひどい。マンホールが浮き上がり、電柱も右に左に傾いている。東バイパスから北バイパスはずっと渋滞。途中車線規制があってよくテレビに出た一階のピロティが押しつぶされたマンションが見える。あけているコンビニはない。ガソリンスタンドはどこも長蛇の列。3号線に合流する前にガソリンスタンドに滑り込みトイレを借りる。ガソリンは入れないのに快く貸してくれて、そんなことがなによりありがたい。3号線は上下線とものろのろ、ナビで裏道を抜ける(この時ほどナビをありがたく思ったことはない)。開いてるコンビニを見つけて一休み、飲料、食料品はほとんどない。3時間かかって植木インターに辿り着く。高速に乗ると福岡方面は流れているが下りは長蛇の列だ。少し走って玉名PA、この辺まで来るとあまり被害もないようでフードコートが営業している。玉名ラーメンをすすってやっと人ごこちがつく。あとは母も助手席で寝ている。私も眠気に襲われて途中のサービスエリアで仮眠。義姉の家に着いたのが3時半だから普段は2時間半のところを5時間半かかったことになる。さすがにくたびれたが、母もよく耐えてくれた。安心もあってか福岡に着いてからのことは覚えていない。

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